スポーツをしよう!
スポーツとは
そもそもスポーツは、 純粋に楽しむため、また心身の健康を得ることでより良い生活を送るためなどさまざまな目的で行われる身体を動かす活動のことです。 日常生活と同様に、決められたルールの中で持てる能力を発揮し、挑戦し、最善を尽くして、フェアプレーの下で行うことが目標とされています。 スポーツには、プロ野球のように仕事として真剣勝負に取り組むもの、いわゆる「草野球」のように仲間との時間やその活動自体を楽しむことを中心とするもの、ヨガや体操などのように健康な心身状態を維持するためのもの、 散歩やハイキングなどのように自然との接点から癒しやリラックス効果を得るもの、といったように分類できたり、いろいろな目的を見出すことができます。 つまりスポーツとは、障害の有無を問わず、誰もがそれぞれの目的に応じて行えるものであり、 さまざまな面で大きな効果が期待できるものと考えられるのです。
障害のある方にとってのスポーツの意義
障害のある方にとっての効果という点から見ると、スポーツには大きく次のような3つの側面が見えてきます。
①「医療的」な側面
…従来、障害のある方にとってのスポーツの意義は、身体機能の回復を目的とした「リハビリテーション」という意味合いが強くありました。
また、障害を負うと体を動かす機会自体が減少し、さらなる機能低下や生活習慣病を生じやすくなります。
そのため、健常者以上に自分の健康に配慮する必要があり、健康の維持・増進が見込まれるスポーツを日常の生活の中に取り組むことは、
健康寿命の延伸のために非常に重要とされています。
②「社会参加」という側面
…スポーツには、誰かと交流するという場面が多くあります。
つまり、仲間づくりや社会参加の意欲向上といった効果が期待できるということです。
多くの仲間や指導者、活動を支援される方などとの実際の交流を通じて、
自己責任や努力をすることに対する意識だけでなく、自然とコミュニケーション能力が育まれ、
他者を思いやる気持ちや態度を理解する場にもなります。
このことは、団体競技はもちろん、個人競技であっても同様です。
③「精神的」な側面
…成功体験からは、自己の存在価値を実感し、そこから生活に対する充実感の向上やストレスの解消といった効果が期待できます。
どうしても障害があることで消極的になりがちですが、自分に合わせた目標を設定し、適度な疲労を伴う程度に試行錯誤しながらクリアすることで、
満足感と同時に新たな目標設定の意欲にもつながり、精神的に成長することができます。
また、自身が参加して楽しむことも重要ですが、他者の試合などを実際に観戦し、応援し、感動することでも心身の健康に役立ちます。
「障害者スポーツ」とは?
一般的には障害のある人が行うスポーツのことを「障害者スポーツ」と言います。 障害がある方向けに考案されたスポーツもありますが、 そのほとんどは障害のない人を基準に行われているスポーツの競技規則や用具の一部を変更・緩和・追加することで、 公平に行えるよう工夫されたものです。 極端に例えてしまうと、「障害者スポーツ」は障害のある方のためのスポーツではありますが、 障害のない方、子供、高齢の方まで幅広く楽しむこともできるスポーツです。 小中学校や企業において障害理解とレクリエーションの一環として障害者スポーツの体験会を開催すると、 その手軽さと奥深さに年齢性別を問わず想定以上の盛り上がりが多く見られます。 また最近では、障害のある方に合わせたもの(=adapted)として「アダプテッド・スポーツ」や、 「もう一つの」「パラリンピックの」という意味で「パラスポーツ」とも呼ばれます。 他にも「ディサビリティスポーツ」「バリアフリースポーツ」「ユニバーサルスポーツ」とも呼ばれることもあります。